チワワ太平洋鉄道~チワワ、クリール、ロス・モチス、マサトランへ

タラウマ

北メキシコの太平洋岸にはソノラ・シナロア州というメキシコでも有数の農業地帯があります。ロス・モチスやクリアカン、マサトランという名の都市が栄えています。
北海岸部の集落の起源はそうとう古いのですが、現在のような大きな都市が形成されたのは比較的最近のことで、その経緯はとてもユニークです。

ロス・モチスやマサトランの発展は、19世紀後半の「ユートピア社会主義者」たちの入植によってもたらされました。

マサトラン
ユートピア社会主義者とは、資本の蓄積主義的な考え方が蔓延する社会において、共産的な理想的な平等社会を創ろうとした人々のことを指します。

中でもこの地域の入植に熱心だったのは、ドイツ人のジョージ・ラップを創始者とするハーモニスト・ソサエティという結社でした。
こうした入植者たちがチワワ太平洋鉄道やトボロバイポの港の基礎をつくり、この地を世界的な場所へと導くため、こうしたインフラ設備に力をそそいだのです。

現在、チワワ太平洋山岳鉄道はロス・モチスよりチワワ市まで続いています。長さは650kmに及び、最高高度は2400mです。

驚くべきことに当初の計画では、この太平洋鉄道はアメリカ中部にあるカンザス市からこのロス・モチスまでをつないで、アメリカ中西部カンザスの家畜牛をメキシコで売ろうという、シベリア鉄道クラスの超長距離鉄道が計画されていました!
しかし、世界でも有数の峡谷(バランカ・デ・コブレというグランド・キャニオンにも匹敵する峡谷)を克服せねばならず、建築には相当額の資金が投入されましたが、その壮大な計画は実現できませんでした。

その後、立案より80年経った1961年に現在のロス・モチス-チワワ間が開通しました。
特急列車だと15駅程度ですが、地元の人々がつかう普通列車は、50もある小さな集落へと停まり、地元住民の暮らしを観察することができます。

線路
車窓からの絶景に次ぐ絶景は、息をのまずにはいられません、、、実際、絶景が盛りだくさん過ぎて、麻痺しました。

途中、停車駅のクリールによりました。

クリール

街には出店がたくさんでていました。周辺に暮らすタラウマラ族の人たちもきており、活気もありました。
このシエラマドレ・オシデンタル山脈地帯の中にはタラウマラ族と呼ばれる人々の一部が今も山の中で暮らしています。

タラウマ
もちろんむやみに接触することは避けなければなりませんが、こうした峡谷の中で暮らす彼らの生活に思いを馳せてみるのも楽しいものです。

チワワからロス・モチスへと低地へ下り、そのまま海岸を進むと海岸リゾートのマサトランにつきます。高低へと暮らしが移り変わる様も見所です。メキシコシティからは遠く、気軽に足は延ばせませんが、時間のある方はぜひ行ってみてください。