チワワ、メキシコ砂漠~貧しき農民たちの夢

カスケーダド・バサシアッチ

メキシコシティよりはるか北に行った所にチワワ州とその周辺地域があります。チワワ周辺は観光地向きというわけではありませんが、奇妙な自然を見ることが出来ます。また、パキメと呼ばれる一級の古代遺跡もあります。
若干、往来に時間はかかりますが足を運ぶ価値のある場所です。

チワワ州や北メキシコという場所は、メキシコ史的にも重要な転換点を担った場所でもあります。

ララムリス

20世紀初頭にメキシコは外資インフラを積極的に取りいれて国家の発展を進めていました。その中心人物であり、鉄の男(man of iron)として知られたのがポリフィリヲ・ディアス大統領です。
長きにわたり政権を担い、人気者でしたが、年老いるにつて、その政権は腐敗し、独裁的な国家体制へと傾いていきました。
こうした中、最初に改革の意を爆発させたのは、自然豊かなこうした北部州の零細な農民や牧民たちでした。

1910年6月にフランシスコ・マデロがメキシコ革命を宣言すると、北メキシコで先住民の血を引くエミリアーノ・サパタや将軍フランシスコ・ビジャ(別名パンチョ)がそれぞれ革命群勢力として活躍しました。
大統領は追い詰められ、政権を譲り、国外へと逃れましたが、政治権力をめぐって内部対立が続き、紆余曲折の結果、幾度もの血なまぐさい暗殺や大統領交代がおこなわれました。

10年後一応、革命は終息しましたが、こうした革命の意志は、20世紀中葉のカルデナス大統領による農民や先住民への農地分配などといった政策に踏襲されるまで混乱を極めたことが知られます。
北メキシコにはこうしたメキシコ史の舞台になった街が数多くあるのです。

現地ではまぁ、別にとりたて何をするというわけではありません。
こうした革命の機運あふれる土地へと訪れるだけの旅というのも一興あっていいものです。

チワワ州には砂漠が広がっていて、メキシコシティや熱帯林ではみられないような自然現象を目にすることも可能です。
バサセアチの滝や、荒涼としたチワワ砂漠の中に、突如現れる小さな青き泉も有名な観光スポットです。
クワトロ・シロネガス(4つの沼)という名の泉は、透明度が高く、青く澄んだ水の中には魚などがいて、まるで草原の中にある小さなサンゴの海といった感じなのです。ちょっと遠いので、チワワ市でツアーガイドを頼んでいった方が賢明です。

カスケーダド・バサシアッチ

砂漠には一般人が立ち寄ることはできないのですが、ナイカ鉱山というのがありまして、地下300メートルには、透明な巨大クリスタルがごろごろとあるのです。
超高温になる極限環境なので入ることはかないませんが、こうした奇妙な自然もチワワ砂漠の魅力の一つです。
観光地としての開発はさほどみられませんでしたが、乾燥地帯のメキシコ人の暮らしを見ることができる貴重な経験となること間違いありません。