メキシコ国境“la Frontera”~メキシカリ、ティワナ

エル・パソ

今週は悪名高いメキシコの国境地帯を訪れました。

「ラ・フロンテラ」。山々に延びる金網のフェンス。目の当たりにすると国境というその現実にただただ驚いてしまいます。
80年代にはこの国境線を流れるリオ・グランデで不法移民を担いで渡すかつぎ屋たちがいて、肩車をして、対岸まで運んだといいます。

エル・パソ、ティワナ、メキシカリ、ノガレス、そしてシウダッドフアレスなどは歴史的に重要な街でもあります。

エル・パソ
ただ、観光としておみやげなどは期待できません。フロンテラ=最前線の名は今も健在で、小さな貧しき子供たちでさえ、成功を夢みて危険を冒して国境を越えようとするほどなのです。

見所はほかの観光地とは一線を画するかもしれません。移民局近くにたむろうあやしい外国人風の集団や先住民族たちがその主役です。
車で国境は行き来できますが、メキシコ→アメリカ道がとんでもなく渋滞しているのに対して、アメリカ→メキシコ道には全く車が通りません。
そのコントラストには衝撃を受けるでしょう。

テキサスパソ

こうした北部国境行のバスは何度も軍隊にとめられます。途中で全員がバスから降りて、荷物検査を受けます。
バスの中に軍兵が入ってきて、怪しげな葉っぱとか白い粉とか持っていないかチェックします。迷彩の軍服にライフル背負った若い軍兵たちがチェックに来ます。

日本人旅行者などめずらしいのかメキシコの若い軍兵に「カラテ、カラテ」とか言ってからかわれたりもしました。
なかには足止めされて、バスから降ろされている先住民風の母親と小さな娘の親子もいました。

街ではこうした不法入国者たちを越境させる「コヨーテ」という仕事があり、アメリカの国境警備隊といたちごっこの争いを繰り広げています。
安宿に泊まっている時、500ペソで向こう側に渡らせてやるぞと誘われました。車のトランクの中に隠れていくということでした。
そんな危ない橋を渡る気はなく、「ありがとう」とだけ言って断りました。

気候や風土も独特で、熱帯雨林のマヤ・ユカタン地方やメキシコシティなどの高原地帯と比べると、非常に乾燥していて、西部劇のただ中にいるようです。
乾いた街の中では至る所に壁画が描かれ、そのおおくが国境の開放を訴えています。こうした機運の壁画も見どころの一つです。

この地域はメキシコの中で最も賃金の低く、マキアドーラ政策で特別にアメリカ資本のフォード、モトローラといった大企業が進出しています。
大企業と貧しさが国境で奇妙に混じりあっていました。

ニューメキシコ